KRS年末60分耐久レースinセントラルサーキット参戦記


このコンテンツは、おそらくインターネット上でクルマ関係のコンテンツとしてはかなり有名と思われるMJクラブワークスさんのホームページ上に連載された、私が書いていた読み物を少し加筆&修正したものです。私の場合、どのように草レースというものに取り組んでいったか、というのがおそらく良く分かるのではないかと思い、ここに再び掲載する次第です。

読んでいただくと分かるのですが、非常に仲間には恵まれています。ここでの知り合いはほぼ100%、もとをたどるとインターネット上のつき合い、それも主にニュースグループのfj.rec.autosでの関係からはじまった友人達によって実現できたものと言えます。まさにインターネットという存在が、私をこのような世界にいざなったと言えるでしょう。それをまた、インターネットを通じて世間に公表しているわけで、なんだかまさにインターネット中心に世間が動いているような気がしてきます。

関西にはサーキットが少ないのだ。

そんなことはない?

たしかに、いまではセントラルがあるから、状況は随分違う。 でも少なくとも僕が大阪に住んでいた3年ほど前までは、 関西はサーキット不毛地帯であると考えて良かったと思う。 少なくとも大阪府の中にはクルマでばんばん走れるような ところはなくて、元気良く走りたい人は湾岸線とか お山に出かけることになるのだろう。 そんなわけで、僕はクルマは持っていたけど、大学時代の知り合いの影響もあって どちらかというとレーシングカートにはまっていた。 大阪はサーキット不毛地帯だけど、カート銀座でもあるのだ。 実家からクルマを飛ばせば、ざっと数えても7、8カ所の カート用のサーキットに2時間以内にたどり着ける。

それがどうだ、いまでは筑波サーキットまで、した道を トコトコ走って40分。住んでいるあたりの駐車場代も 月に4千円ほど。これは「サーキット専用車を1台持って サーキット走行に力を入れてみても良いのでは?」という ふうに考えるのは当然なのだ。 加えて、このような体験があった。 今年の5月に、お世話になっているMJクラブワークスさんのご厚意により、 5月のKRS戦にシビックを貸してもらって出たのだ。 スピード感はそれほどたいしたことはなかった。 横Gも大したこと無い。でも前後のGはずいぶんと大きい。 これがすぐにカートと比べてしまう僕の最初の印象。

でもやはり、広いコースで4速まで入れて全開、 トップスピードは僕のへなちょこドライブでも 160km/h超、そういう快感は15馬力しかない普通のカートでは なかなか得られない。やっぱり環境にも恵まれていると言えるし、 しばらくはこういうのでいってみようか、、と思わせられるには十分な体験だったのだ。

セントラルから関東に戻ってきて、早速クルマ探しをはじめた。 いままで軽自動車しか乗ったことのない僕。シティやスターレットの ターボなんかも良いけど、まあ素直にやっぱり1600cc。 本来カプチーノ乗りだが、FFばっか乗っていたせいか最近はFFのほうが安心になりつつもあり シビック、ミラージュ、レビン&トレノあたりで クルマを物色することにした。 そんなある日、知り合いでMJ西尾さんの手下にされてしまいそうだった あずま君から「知り合いの自動車工場で92トレノが1台あって うちで車検通してくれたらタダであげる」って言ってます〜 ということだ。なんと私はしあわせものなのだろう。 でも時代はそういう風になってきているのだ。 むかしはツインカム(ここはトヨタ風に言ってみよう:-))といえば まさに高性能車の証。それを綺麗なのに捨ててしまうなんて?というところだが 違うのだ。今や1気筒4バルブでない車の方が珍しい。10年経てば距離は6,7万キロの 車でとくに問題なくはしる車でもどんどん捨てられていくのである。

夏休みに帰省した際に実車を見て即決。見かけは大きなキズ、凹みなどもなく、 全く問題ない。92の後期も後期、最後の92という感じのH3年式の1台だった。 どうして捨ててしまうんだろう?とかやっぱり思ってしまう。 夏の終わりにクルマを受け取って関東に戻ってきた。 さすがハイオク専用4AG。あまり機関は好調ではないような気がするのだけど (何となく元気がない)カプチーノよりは若干だけど早い気がする。 コーナリングスピードはおそらくトレノの方が速いのだろう。 やっぱりトレッドの幅の差とか普通車ならではの安定感というものが 有るように思う。(でもカプチーノって車高が低くてスピード感が あるので結構だまされるのだが)お金はないがはやくサーキットに くりだしたいモノだ。

ちょっと忙しくてトレノ活動はお休み気味であった。 が、そんなある日、MJマガジンから「KRS年末耐久」の文字が。 これはもしかして、ちょうどいいのではないか? 耐久って事でちょっとクルマにはハードかも知れないのだけど、 何となくその言葉から来る「お祭り」的なイメージと、 前後の順位にしゃかりきにならなくてもよい、という精神的なゆとり。 仲間を募って、取り組んでみるにはまさに好適なのでは?? で、トレノ君のデビューにはちょうど良いのではないかと考えた。 さらに、ぬわんと僕はサーキットはセントラルしか走ったことがないので、 どっちかというとコワイ部類らしいセントラルだけど、なんとなく 安心できるのだ。主催がKRSさんなのも安心できる要因の一つだ。 よし、決めた。出ることにしよう!

というわけで、早速準備を始めることにした。 耐久なのでドライバーを集めないといけない。 3分づつ、2回のピットストップが義務づけられているから、 ドライバー3人がちょうどいいと思われる。 でも、せっかくのお祭り気分だし、コストパフォーマンスが 落ちない程度に(なんせ僕でも片道650kmの旅だから)もっとたくさんの 人を連れていって、楽しく過ごしたい。かといって10人とかは無理だし。 とりあえず、車の速さから言っても、勝利を目指すと言うよりは、 参加することに意義があると思われる。草レースだから、目的がそれだって 自分自身としては十二分に成立していると思われる。 というわけで、4、5人程度で考えることにした。 エントリフィーもその分安く押さえることが出来る。 メンバーは勿論、オール非関西で固めて、本番では遠来賞を狙おう。 (あるのか?)

まずエースはシティとSWでジムカーナばりばりの前田選手。 fj.rec.autosでもフォローの多さでとても有名な人である。 この人は速い。初めて見たコースでもすぐにベストのラインが 分かっちゃうらしい。何度かパイロンジムカーナで助手席に 乗せてもらったりしたが、なんかパイロンの間をテレビゲーム的に 誘導されるかのように走ってしまう。FF、MRのどちらでもOKで、 コース、車両ともにバツグンの適応力だ。安心安心。 家は石川なので当日はサンダーバードで関西入りする。

#南の島からではない(^^)

次は赤澤選手。彼は正統派の走り屋で、S13、S14と乗ってきて、インテRに 乗り換えたのである。最近各地でめきめきとタイムを伸ばし、 某MLにおいては、最初は警戒、次に羨望、最近は懇願の目で見られている という伸び盛りの選手である。最近は制御系がFF化していると思われ、 任せて安心モノゲンユニなのだ。しかも軽量。僕の半分強なのだ(涙) 私の目から見ても、常に冷静に少しづつ少しづつ攻めていくタイプ。 こういう人は、大きなクラッシュにはなりにくい。

#いつものB18とトレノ4AGドノーマルとではあまりにも違うが、
#それがかえってAKZ選手に余裕をもたらすので良いと思っている。

続いてあずま選手。これはトレノと僕を引き合わせてくれた立役者である。 当時は学生だったのだが、サーキットを求めて、日本の4輪サーキット銀座 と言われている福島県に就職し移り住んだ(笑) まさに若さに任せてぶりぶり言わせてくれるだろう。また、前田さんと並んで 車をいじる経験も豊富であり、メカニックとしても期待される。 当日は片道900kmの道のりをわざわざクルマで現れるはずだ。

#無茶である。。。

そして僕。僕も含め皆さんボンビー(失礼)な事もあり、 不確定な要素は最後まで消えないと思うが、なんとか頑張ってみよう。 (車両側の準備編につづく)