KRSバトルロイヤルinセントラルサーキット


知り合いの神戸というか明石のレース屋さんの ホームページにこんな文章が出ていた。

「KRSバトルロイヤルただいまエントリー受付中。」

草レースっていうのは全然出たことないのだが、 たとえば今乗っている最高時速追い風参考130km/hの todayなんかでもでていいのだろうか? ちょっと興味があったので直接電話してみる。

「あのぉ〜todayなんかでもええの?」
「あかんちゅうわけでもないけど、それなりに やるべきことはせんといかんやろうな」
「そうですか〜」

そりゃそうか、ブレーキだけ、ってわけにはいかないみたい。 この次点で一度出場する意欲は失せてしまった。 で、ちょっとなんだかんだでそのことは忘れていた のだが、しばらくしてまた電話してみると

「とりあえずエントリーしといたしよろしく。 クルマはうちのシビックがそのときまでに売れて なかったらそれででたらええから」
「い」

とりあえず、そういうことで出場は決まってしまった。 うまくノせられたってところだったのかも知れない。
当初は60分耐久であずまくんと一緒に出ようということに なっていたのだが、エントリー数が少なかったために、 耐久はなくなってしまったので、スプリントにまわることになった。 練習走行枠が2回あるので、これを一回分あずまくんに走ってもらって 経費を1:2で分割することで話はついた。

エントリー料金は\25000。相場を良くしらんのだが こんなものなのであろう。
むか〜しむかし。カートに乗って遊んでいた頃、 とてもレースに出たかった。でも出なかった。 その理由はひとつはヘタだったから。 トップが30秒フラットくらいで回るコースだったのだが 僕はそのころのベストが33秒台の前半。 レースは決勝が12周とか15周くらいなので完全に 周回遅れになってしまう。それと遅い理由はヘタなだけ ではなくてタイヤなどのメンテにもあった。

当時はお金全然なかったから(カプチーノで使い果たした) タイヤも買えず、レース後サーキットに捨てて有る 比較的マシなタイヤを拾って帰って使っていた。 真剣にやる人はやはり毎レースごとにニュータイヤを投入する。 エンジンのOHだって2,3レース毎にするだろう。 だから、ゴミ箱にすててあるタイヤとはいえ、 それほど悪くない物もうまくすれば手に入るってわけだ。 今から思えば1set4本で3万円しないくらいのものなのだが。。

というわけで、草レースとはいえ、それなりの真剣さをもって やりたいとは思った。昔は買えなかったタイヤだって、今なら 買うことができる。カートの頃のフラストレーションを解消するのだ。 安全のためにも良いタイヤを用意した方がいいだろうし。 組むホイールはあずまくんにかしてもらうことにして、Sタイヤを4本購入。 ちょうどMJさんにあった520Sの195/60R14のハードコンパウンドを わけてくれると言うので一本1万円で購入する。 ハードなら、又使う事もできるだろうし。 1時間半じゃ無くならないだろう。

前日、僕が成田モーターランドで遊んでいる頃に既にあずまくんは シビックの受け取り、車の整備、積車での運搬などを してくれていた。(多謝。)成田を走り終わって やはりというかかなり疲れていることを自覚。 こんなんで兵庫まで600kmの旅に出られるのか? と不安になったが、同時に出場する橋本さんに乗せてもらう、という goodな案を思いついた。結果、大成功。助かった。。 辻川さんに外環の新倉PAまで送ってもらい ここで橋本さんに合流。(多謝。)一路兵庫は西脇市へ。
無事に朝7時前に到着。天気はとてもいい。 ゲート前には積車とか光り輝くFDとか ふる〜いブルーバードとか、とにかく色んなクルマが居た。 赤いライフを発見。大石さんが応援のため来てくれている。 あずまくんは早く来て寝ているはず、、と思ってクルマの列を 前に前に探していくと、ゲート前の一番前に積車と共にいた。

うーん、これがレンタルシビック君か。よろしくね。

ゲートがオープンして、入場。山崎さんの雨の車載を見ては来たが やっぱり走ってみないとぜんぜんわかんない。コース図は これ

長い直線、今までに乗ったことのないパワフルなクルマ、、 正直言ってやや不安だが、ま、その分広いんだろう。

タイヤをNewタイヤに換えてブレーキのエア抜きを行い、 エンジンオイルをちょっと補給。 オイルはその辺のホームセンターで激安で売っていそうな、 アメリカから並行輸入したGTX-7(ちょっとかため) こんなのでもいいのかな?

時間はどんどん過ぎて、練習走行Rd.1。あずまくんの出番だ。 すごい爆音(^^)下に潜ってみたらホントに何もついていない。 こりゃ走っていると気持ちいいだろうな。 このクラスはほとんどシビック。たまにCR-Xとかファミリア、 ミラージュの人なんかもいる。次々にコースイン。

はやい。。(驚)

みんなはやい。。。(焦)

いったいストレートエンドで何キロ出てるんだ? ピット裏の2本目のストレートの方にも行ってみる。

はやい。。(汗)

ホントにはやい。こりゃあ、大変なことになった(笑) でもきっと面白いぞ!たぶん・・・

#このとき竹下はまだちゃんと脱出するとシビックでも 180km/h近く出てしまうことを知らなかったのだった。。

##チューンしたGT-Rとかだと240km/hくらい出たりするそうな。。

ストップウォッチを持っていたので、あずまくんのラップを 計測してみる。(大公開!:-))

1: 1'59'55 コースインして1周終わってから計測開始。
2: 3'07'57 ペースカーが入った。。
3: 2'14'32 ペースカーが出る
4: 1'51'56 お、一気に詰めてきた。いけいけ!
5: 1'50'57 順調にタイム短縮
6: 2'01'24 なんか他のクルマと詰まったかな?
7: 1'58'30 ラインを譲って遅くなっているのだろう。。。
8: 1'50'01 おぉぉぉぉ!!おしいぃぃ!!

ここでチェッカー。うーん50秒切りたかったねぇ。
他のクラスの練習走行が続く。 GT-RとかFDとかが出てくるクラスが有るのだが なんか異様に速い。はやいはやい。 どこかのGT-Rが前のバンパーまわりを破損して帰ってきたが トラブルはその程度。みんなうまいもんだなぁ。

さて午前11時。僕の番が回ってきた。

まずはシートを合わす。 単純に後ろに3段くらい下げたら、あずま君の 乗ったそのままでOKだった。これぞ3段腹。 とか言っているうちにスタート。 まずは1周目は様子を見ていきたいと思って 橋本さんについていく約束を取り付けたのだった。 出たのも遅かったのか、集団の一番後ろになった。 うん、これならやりやすい。まずは1周走ってみよう。

メインストレートではあまりメーターを見る 余裕はなかったが160km/hくらいはでてしまうようだ。 ストレートの真ん中あたりで4速に入る。すごいな、VTECパワーは。 ゆっくり1周走り終わってから、もちょっとペースを上げる。 とはいえ、びびり&シフトダウン下手なもんでオール3速で 行ってみることにする。(除く奥のヘアピン)

どうも3カ所ある複合コーナー、その中でも裏の直線に繋がる1,2コーナー 登り区間に繋がる4,5コーナーの2カ所がとても重要な気がする。 クルマはとてもリアが安定している。まさに今のっているtodayのお兄さん。 タックインは緩やか。登りのS字区間でアクセルを踏むと クルマがそっちに引っ張られて曲がることを確認。 そうか、LSDってこういうものなのねん。これはいい。

(私にとって)超高速からのブレーキングは初体験。 うーん怖いけど、とりあえずはリアが暴れたりはしないなあ。 ブレーキング位置も手前にしたし、あせらずクルマを曲げて。。 直線ははやいはやい。速い車達にはコーナーその他、 全ておいていかれるがとりあえず絶対的にパワー不足とか そういうことはない。トップな人はB18に換装しているっていうし。 草レースだからいろんなクルマが居る。 このクルマもたいがいせえよってくらいに爆音。気持ちいい。

5周くらい走ってだいぶ慣れてきた。 危険そうにうろうろ走っているクルマも居ない。 30台以上走っているので他のクルマとからみながらだが それはそれで特にストレスは感じない。速い車に進路を譲りつつ 周回を重ねる。途中4コーナーへの突っ込みで ブレーキを残しすぎてハーフスピン気味に。 しかも3速なのでいまいち立て直しパワーも足りず なんとか90度くらいで止まったあと のろのろと登りに向かう。とまんなくて良かった。。 やっぱりFFはお気楽でいいな。 おそらく10ラップ位してチェッカー。

帰るとなんかあずまくんが楽しそうな顔をして待っている。 西尾さんは「いや〜いやいや、おみそれしました、 もうこれでたけちゃんシビックご購入決定〜」とか セールストークとも何ともよく分からないこといってる。

あずまくんにタイムを聞くとベストは1'42'8とかだったらしい。 最後の方の周回だな。たぶん。 客観的にこのタイムがどれほどの物なのかはよく分からない。 ちなみにトップは1'33くらいだったと思う。これは筑波だと 1分5秒とかくらいなのかな?とすると意味無いけど 1分12、3秒くらいかな?うーん。 西尾さん曰く、ベテランが乗って38秒台とか 言っていたと思うので、まあいいのでしょう(^^) ま、初めてクルマ、初めての場所、初めての混走、初めてのSタイヤ、、、 にしては上出来なんだろう。スピンしなかったし。気分は上々。

帰ってきてちょっとコースのことを思い出してみる。 1コーナーは3速。これはこれでいいだろう。 きっと2速にしたら僕は姿勢を乱してしまうだけだろう。 成田の1コーナーを思い出すのだ! インベタで行かずスピードを確保して2コーナーを綺麗に全開で回ろう。 4、5コーナー。ここは攻めるのはちょっと怖い。 経験不足でもあるし。ここも3速にしよう。

でもこれは明らかに判断ミスだった。3にしてそのまま行くと 操作は楽ができるがVTECに入るまでがダルくて 一番パワーが必要な登りの前半部分がとても遅くなってしまった。 これで下手したら1秒くらいロスしているかも。 とにかく「適当に」進入でリアを流すことに集中してみる。 登りのSの区間はとにかくできるだけ全開。 ここはラインだけの問題か? 奥のヘアピン、ここは2速で丁寧に行くしかないな。 立体交差手前の下りの左。ここは怖いし、まだまだ人生いい思いをしたいので 素直にインベタで行こう(よわよわ) 最終コーナー。ここは2だとアンダー3だとタルイって感じで 要は下手でうまく回れていない。2で丁寧に行くしかないかなあ。。

とか思っていると、予選結果発表。 29位だ(肉?わはは遅いっす) 27番グリッド、つまり前は橋本さんだ。
もうすこしリアがアクセルONでも流れるほうがいいが、 などと生意気なことを言っていると、リアのスタビの径を 大きくすることになった。本人はそれが望む方向への 変更になっているのかどうかさえ知らない(笑) あずまくんと2人で作業。ああ、楽しいなあ、こういうのって。 こういうのがずっと続いたら楽しいだろうなあ などと、少し作業しながら思ってしまう。 あずまくん経由でコンビニのおにぎり2個ほどを食べ、 トイレなんかにも行って準備万端。 「目指せ完走&タイムアップ」じゃ。
さて模擬レースの時間がやってきた。 決勝は12周。周回遅れにはなりたくないが トップとは10秒近く違うから抜かれそうだな。 レースとはいえあくまで「それなりの真剣度」でいこう。 安全に楽しんで帰ってくるのが目標なのだ。 突っ込んできたそうなクルマが来れば簡単に譲る という方針で。順位は問題ではない。 ただラップタイムは更新したい。でないと いきなり進歩が止まったようなもの。

ピットアウト。一周回って、グリッドにつく。
「う、うしろすぎてシグナルが見えない(笑)」
エンジン音が高まったので僕もちょっとふかす(^^)
前が動き始めたので僕もスタート(^^)
ちょっとホイールスピン(^^;いいのいいの。

とにかく1周目は無事に帰ってこよう。 1コーナーは外からだな。ここは外は広いから安心だ。 裏のストレート、もうすでに列が完成しつつある。 何台かに抜かれたが何台か抜いた気も。 ほとんど変わっていないな。 列はできたが裏ストレートエンド、きっとここも 危険に違いない、ので相変わらずよわよわ大外刈り じゃなくて抜かないから単なる大外か。 1周目はうまく帰ってこれた。

2周目以降、このあたりから橋本さんとの熾烈な 抜きつ抜かれつバトルが始まる。 まず、橋本号はZCとはいえ、スリックタイヤを 装着している。だからコーナーで早い。 一方こっちはVTEC。ストレートでむふふ。

お互いのタイムも同じくらいなので必然的に ストレートで抜いてコーナーの突っ込みで抜き返される、 というのが繰り返されることになる。

これが楽しいのなんのって。

ストレートで前に出られるからブロックしたら 抜けないと思うけどそれは今回の目的には反する。 橋本さんなら信頼できるのでこれを楽しむことにした。 後ろから白いサイバーCR-Xの人が来た。 予選は僕より少し遅かったようだが、どうも僕よりも早い。 橋本さんと絡んでいる僕が邪魔になっては悪いので 先に行ってもらう。

あいかわらず橋本さんとのバトルが続いていたが、 5、6周目に僕の前に一人誰かが入ったすきに 橋本さんとの間が多少広がった。まてー! 7、8周目頃、後ろからはやーいEGのシビックが 何台かやってきた。周回遅れに。うぅぅ。 だがしかし、橋本選手タイヤがたれてきたのか だんだん間が詰まってきた。 そういうこちらもちょっとタイヤがたれてきた感じ。 裏のストレートのブレーキングとか、登りのS字の あたりが思うように踏めない。でもここはLSDの 恩恵もあって、タイムは下がっていない。 より外まではらむラインでも踏み込むと帰ってくる 事が分かってきて、このラインに固定。裏ストレートから 奥のヘアピンまではノーブレーキで行けるようになった。 全開時間も長くなった。

9周目くらい、ストレートを利用して橋本号をパス。 前がクリアになってうまく走れた。橋本さんは誰かに 絡んでしまったのかちょっと間があいた。むふふのふ。 と思ったら、前にAZ-1が現れて詰まってしまう。 どこで抜こうかな?そんなこんなで橋本さんが 再びひっついてきた。ホームストレートを通過。 ここであと1周のサインが出る。うーむ。どうしよ。 AZ-1、たけした、橋本さんの順。 裏のストレートで抜こうかなと思ったけど、 なかなかAZ-1も早くて、抜きそびれた。 結局そのままの体制で最終コーナーまでいくことに。 ここで竹下インへ。橋本号アウトに。AZ-1の人ごめんなさい。 はさんで3台並んで最終コーナーに突っ込む!!

竹下号は当然インベタで小回り。外を通った 橋本さんの方が脱出速度は速いと思うが、 竹下号はVTEC、さあ加速勝負だ! やはりVTECは偉大で、見事にレンタルシビック抜け出して チェッカー!やった〜!! ピットに帰ってくると橋本さんがめちゃめちゃ 悔しそうにしている。わははのは、すみません。 直線ばっかはやくて(^^)
積車をレンタカー屋に返さなくてはならないので 早速撤収。結果の紙ももらわずに帰ってきた。 最終順位はそんなわけで良く知らない。でも少し上がったみたい。 ベストラップは後半橋本さんを少し引き離せたあたりで 出たようで、1'41'5くらいが出たようだ。素直に嬉しい。

とにかく無事に終わって良かった。 あそこをもう少し、ここをもう少しこうやれば、 40秒を切れたのではないか、とかいろいろ思うのだが それはそれ、次の機会の楽しみに置いておこう。 とても楽しかったというのは事実。きっと又来るんだろうな。